スタッフさんの気持ちをくみ取ることが最優先
この記事は、前回の続きになる。
まず、わたくしは第一回目のコンサルで、スタッフ全員を前にこう宣言した。
「また、何かワケのわからん奴が来た。そう思っておられると思います。今は、それでも構いません。なぜなら、わたくしが皆さんの立場でも、そう思うからです。でも、今からある一つの事をお伝えします。ぜひ、それだけは実践してください」
そこで、わたくしは1か月で売上がグイッと上がる秘策を全員に伝授した。
そして、その方法や単価アップについても丁寧に教えた。
実はこの秘策は、既に愛知県の美容室で実施して絶大な効果があったもの。
その美容室ではなんとわずか1か月で、最高月商135万円が205万円にまで急上昇した成功実績がある画期的な方法なのだ。
では結果的に、どうなったか?
全員が結果を出すことはできなかったものの、トータルでは月商が40万円アップすることが出来た。
こうなれば、スタッフさんのわたくしへの信頼度も少しずつ芽生えてくるもの。
「次回は、あれをやって、スタッフさんの心をグッと掴もう」と思ったものだ。
何を求めているのか?を探る
そして第二回目のコンサルの日。
この日はまず、スタッフさんを徹底的に褒めた。
「スゴイですねー!1か月でこんなにも売上が上がった!スゴイ、スゴイ!!」
皆さん少し恥ずかしそうだったが、そこから、スタートした。
その後、こう尋ねた。
「どうすれば、もっと皆さんのテンションが上がりますか?あの秘策をもっと皆さんが実践していくには、何が必要ですか?」
そう聞くと、いろいろな意見が返ってきた。
- 新規客の数が欲しい
- 値段や内容をこちら(スタッフ側)で、その場である程度臨機応変に提案したい
- 売れたら給料に反映して欲しい などなど
わたくしがここで注目したのが、赤字の部分。
「売れたら給料に反映して欲しい」、つまり歩合やボーナスアップを望むということだ。
お金じゃない・・・とは言っているけれど
今の若い世代、特に10代後半から20代は、働く上での「お金」の優先順位は低いと言われている。
聞いた話だが、ある美容室のアシスタントがこう言っていたそう。
「今の給料(手取り13万円)で充分です。実家住まいで家賃もかかりませんし。パパのお小遣い(4万円)よりも多いので、全然この給料でも自由に遊べるから大丈夫です。練習したり、遅くまで残ったりして頑張ってスタイリストになるより、定時に帰れて今の給料をもらう方がいいです」
つまり、美容学校を卒業してせっかく資格を取ったにも関わらず、遅くまで残って厳しいカット練習に耐えるくらいなら、スタイリストにならなくてもいいというのだ。
こういう考え方も今の若者らしいと言えば、それまでなのだが。。。
とはいえ、冒頭のこの理容室のスタッフのように、本音の部分では、「もっと稼げたらいいなぁ」と思っている方もたくさんいるわけだ。
そして、この「お金を稼ぎたい!」と思ってくれている方が、実は相当ありがたい。
“結果が出たら、ちゃんとお給料で還元するよ!”と伝えることができるからだ。
目標を達成したら、5万円の臨時ボーナスを支給
そこで、わたくしはオーナーさんにこんな提案をした。
「分かりました。では、オーナーさん、こうしましせんか?今度の10月に今より100万円、月商を上積みしましょう。目指せ300万円です!ここを目標設定します。そこで、わたくしから1つお願いがあります」
「何でしょう?」
「もし、みんなで力を合わせて300万円やり切ることができたら、スタッフさんに臨時ボーナスを支給してあげて欲しいのです」
「いくらくらいでしょうか?」
「スタッフの皆さん、いくらくらい欲しいですか?達成した場合には」
ヒソヒソとスタッフさんの密談がスタート。
「10万円かな」
「いや、5万円かな」
そんなやり取りがあり、結果的に300万円達成したら5万円を支給することに決定。(この件は、オーナーさんとは事前打ち合わせは無し。だが、オーナーさんは快諾してくれた。この場を借りて、オーナーさんにも感謝の意を表します)
ただ、この会話のやり取りの中で、実は大きな変化があった。
それは、スタッフのモチベーションが急上昇したことだ。
やる気に一気に火が付いたのだ。
モチベーションが変わると、発言の内容も変わる
当然、ある一人のスタッフがこう言いだした。
「わたし、〇〇を使って集客しようかな。前のサロンでは、その〇〇で結構集客できていたので」
それに続いて、今度は他のスタッフがこう発言。
「チラシ作りたいです。もっと新規のお客さんが来るように」
これまでは、集客の話をしてもどこか上の空で受け身一辺倒だったスタッフさん達。
それが、5万円という臨時ボーナスのトリガーが引かれたことで、怒涛の津波のように急にやる気が満ちてきて動き始めたのだ。
こうなれば、もうしめたもの。
こちらとしては、スタッフさんのやる気、モチベーションを削がないように、バックアップしていくだけだ。
わたくしの仕事の役割は・・・
SNSやネットを活用して、集客を強化する。
そして、売り上げを増やす。
これまでは、自分の仕事の役割をこう思っていた。
現に、それで成功したお店も過去にたくさんある。
1か月で150万円の売上が450万円になったり、300万円が700万円になったり。。。
しかし、実はもう一歩、仕事としては突っ込む必要があったのだ。
それがこちら。
今回の理容室のように、「スタッフのやる気を引き出して、今一度奮い立たす」ことこそが、本当にオーナーさんが集客コンサルタントのわたくし達に求めていることなのだ。
ただ、ここは、そう簡単なことではない。
人を巻き込んでやっていく必要があるわけだから。
しかし、やらなければならない。
お店によっては、この「やる気」モードに持っていくまでに時間がかかることもあるだろう。
反発するスタッフもいるだろうし、無視・離反する人もいるかもしれない。
だがしかし、ここをやり切らなければ、いくら最先端の効果がある集客法を伝授しても、半年、一年経てば元通りになってしまいかねないのだ。
ということで、今後、わたくし宮野秀夫は、【集客・売り上げアップの支援のみならず、スタッフさんのモチベーションアップや職場の雰囲気の向上にも積極的に取り組んでいく】ことをここに誓います。
終わり♫
アデュー