倒産間際の脱毛サロン!その奇跡の復活物語~【前半】~
都内で脱毛サロン『シナリー』を経営する山崎京子(32歳)。
今でこそ脱毛サロンを2店舗展開し、年商は3,800万円ほどになったが、決してここまで順風満帆にきたわけではない。
京子自身、前の旦那とは価値観の違いから離婚し、現在は3歳の女の子を抱えるバツイチシングルマザーである。
そんな京子が家族の大反対を押し切って、脱毛サロン『シナリー』を開業したのはちょうど1年前。
元々自分自身が毛深かったのが悩みで他の脱毛サロンに通っていたものの、施術が痛かったり、ジェルが冷たかったり、なかなか効果を感じなかったりで定期的に脱毛サロンに通う気にはならなかった。
脱毛サロン開業セミナーに参加
そんな時に、たまたまネットで見つけたのが、光をあてても痛くなく、子供でも脱毛ができる「安全・安心」をうたった脱毛マシンメーカーの広告だった。
その広告に興味を持った京子は、その脱毛マシンメーカーが開催している脱毛サロン開業セミナーに参加してみた。
そのセミナー会場には10人ほどの参加者がおり、いかにもエステサロンを経営していますというキラびやかなオーラを醸し出す人から、どうみても主婦だよな~と思える人までいろいろな人がいた。
脱毛サロンの開業費用は約450万円
担当者からそのメーカーの脱毛マシンの良さや現在導入している脱毛サロンの売上の状況等を説明してもらった。
【導入サロン事例】
- 業界未経験の30代主婦の1人サロンで月商200万円
- スタッフ4名。2店舗で月商450万円
- ベッド数2台。月商290万円
ちなみに脱毛サロン開業費用の内訳はこう説明された。
☆開業費用
- 脱毛マシン本体 3,000,000円
- 家賃や敷金の出店費用 800,000円
- ホームページ制作代金等の広告宣伝費 500,000円
その他、諸費用を含め合計4,500,000円あれば、夢のサロンオーナーになれる!
借金をしてようやく脱毛サロンを開業するも。。。
大学を卒業してすぐに結婚した京子は、美容関連ビジネスには一切関わったことがなかった。
しかし、元旦那に内緒で密かに貯めていた3,000,000円と親から借りた1,500,000円の合計4,500,000円を元手に、都内に脱毛サロン『シナリー』をオープンさせた。
脱毛サロン開業初月の売上は28万円
開業してから1ヵ月。
最初はお友達やママ友に『脱毛サロンをオープンしたから来てね~』と声をかけ、皆が一度は一番料金の安いワキ脱毛980円の体験に来てくれた。
しかし脱毛サロンはコース契約や回数券を買ってもらってはじめて大きな売上になり、経営が成り立つもの。
初回体験の980円だけの売上だけでは、到底やっていけないのだ。
したがって、開業一か月の来店客数は30人だったものの、売上は280,000円で終わった。
来月はきっとこの30人がまた来店してくれて、コース契約や回数券を買ってくれるだろう。
そう安易に考えていた京子だった。
2か月目。ホームページが完成するも。。。
2ヶ月目に入り、お店の名前をネットで検索すると、ようやくホームページが上位に表示されるようになった。
脱毛サロンの前のA型看板も作成し、地元での認知度も広がってきた。
そう思っていた京子だった。
しかし、そんな京子の思いとは裏腹に2ヶ月目は来店客数21名、売上220,000円で終わった。
先月来たお客さんは本来、今月も来るはずだったのに…。みんな忙しかったのかな。
3か月目も売上は低迷
日に日に少なくなっていく銀行の預金通帳の残高を見ながら、京子は少し不安になっていた。
しかし、メーカーの担当者が説明会で言っていた『脱毛は儲かる』の言葉を信じ、3ヶ月目を迎えた。
そのうちの半分の25人のお客さんが、今月来てくれて、それぞれ1人が100,000円のコース契約をしてくれれば売上は一気に2,500,000円になる。
そうなれば経営も安定してくるはずだ。
ママ友も100,000円くらいなら、協力してコース契約をしてくれるだろう。
そう思っていた京子だったが、3ヶ月目も売上は200,000円台で終わった。
『なんでみんな来てくれないの?値段が他店より高いのかしら?』
そう思った京子は、近隣の他店の脱毛の値段を調べ、ライバル店よりも20%安い価格に全てのメニューを見直した。
しかし4ヶ月目も、来店客数こそ前月を上回ったものの、値下げの影響から客単価が下がり、売上はまたしても低迷。350,000円で終わった。
これで、4カ月連続で赤字である。
預金残高が底をつく中で、キャバクラのバイトもすることに・・
ついに通帳の預金残高も100,000円になった。
脱毛マシンのメーカーの担当者が言っていたことは嘘じゃないの!
でも、そんなことを言ってられない。食べていくには、お金がいる。
この子にもシングルマザーだから貧乏な生活になったと思って欲しくない。
やりたくはないけど、夜の水商売を週二回やろう。
そして京子は、キャバクラで週2回働くようになった。
キャバクラのおかげで収支はトントンに
5ヶ月目も脱毛サロンの集客・売上は相変わらず低調だったが、キャバクラで知り合ったキャバ嬢が数人ほど脱毛に来てくれるようになった。
その結果、サロンの売上は400,000円台まで上がった。
週二回のキャバクラの仕事での収入が約200,000円、お店の脱毛の売上が400,000円。合わせて600,000円。
経営としては収支トントンにはなったが、お金は一向に貯まることはなく、体の疲れと精神的疲労だけが日に日に溜まっていく。そんな状況だった。
貯金残高を100,000円から増やすには、サロンの売上を増やすか、夜の水商売の出勤日数を増やすか…。
これ以上の水商売は避けたいけど、サロンの売上もどうやって伸ばせばいいか、わからない。。。
そんな迷走中の京子だった。
(続きはこちら)
※この物語はフィクションです。